PL-70L2

2010年10月17日、ヤフオクでPL-70LⅡを入手しました。
「20年来の夢」です。
　

別にアナログディスクがたくさんあって、何が何でもこれらを聞かねばならない　といったようなことはないのですが、私にとってはちょっとした思い入れがある　というのがこのPL-70LⅡです。

こういう機械は、性能もさることながら、要するに、所有する喜びを満たしてくれるかどうか、がポイント。
何よりまず、品の良い、バランスのとれたデザイン、優雅で高級感があるデザイン。色づかいといい、表面の仕上げといい、実に良い。見ていて惚れ惚れします。気が落ち着きます。LUXMANのシャンペンゴールドのフェイスに実によく合い、いかにもよい音が出てくるような見栄えをしていること ...　　
それにもまして、昔持っていたPL-50LⅡの上級機であるということ。なけなしの金をはたいて買ったPL-50LⅡの記憶は正しいのか？　とか。

LⅡはだめだけど初代のPL-70ならいいぞ、とか、P-3がいい！　とか、いろいろ意見があるのは承知で、すべて承知の上でのPL-70LⅡです。要は自己満足のかたまりです、それでいいのでありま～す。

さて、
なぜ「今」アナログのプレーヤーなのか？
最近展開しているシステムはちょっとコマシな音になっており、真空管オーディオの粋を集めた、、、とはちょっと大げさですが、小ぃ～さな声でなら言い放ってしまってもよさそう　な状態にあります。デジタルのチャンデバが陣取っているのでpureアナログとは言えませんが、こいつのおかげ（と、スピーカ＋スピーカーケーブルのおかげ）で、３つのソース（CD、FM、インターネット）の違いがはっきり分かります。「アナログ」という響きはとってもよいのですが、現状は、小生の耳には、デジタルの固まりである「インターネット」が一番いい（好みに合っている）ように聞こえます；　ともかくも、ソースの違いははっきりわかります。
で、ひょっとすると、昔感じたハードの限界問題（各機器の特色が、どこかの段でクリップされてしまい、見えない）をクリヤして、我が愚耳でも、ダンピングなどの違いなど見えるか。。。　これなら、アナログに触れる楽しみを少しでも感ずることができるかも。。。

もともと古いプレーヤーですから、トランス、カートリッジ、それに電線には、凝らない。現代の（デジタル時代の）カートリッジのことはわからない（あまり高いの（特徴あるの）をつけてもクリップされてたらどうせ分からない、まずはやってみなければ）。トランスにもいろいろ相性があるだろうし、第一高い。本体より高い。。。　
これらみんな、変化することは分かるけど、行き着く点が見えないので「怒られ続ける」　というのがオチ。えっ？　
ですので、最低限をクリアしてやれる範囲で一発やってみて、まずは素直に、どれかの問題がどうかなるだろうか？　というのをトライすることにします。プレーヤー本体だけは持つ悦びを！

ここからが本題、なぜ PL-70LⅡか、、、　
ちょっと話を出した、PL-50LⅡからはいりましょうか。。。

前のPL-50LⅡは、秋葉原のダイナミックオーディオの店頭に積み上げてあったものを買ったように記憶。ラジオガーデンだったと思いますが、今は昔の物語、、、古き良き時代のダイナミックオーディオであります。
多分製造終了時の在庫処分だったのでしょう。白いセラミックのトーンアームがおまけについて、激安でした（といっても学生の身にはこたえた）。何より、格好良い。　　それで、えいやっと買ってしまいました。

その前は？　ちょっと昔のことを思い起こしてみると、、、
何かの拍子に神戸の星電社で買ってもらった1万円弱のプレーヤーは持っていて（これもパイオニアだった）、中学とか高校のころに人並みに買ったLP等を聞いていた；　だから、もうちょっとコマシなものを使いたいとは常々思ってました。
それで、秋葉原で偶然見つけた格安の、超格好良いプレーヤーをエイッと購入したものです。決してむずかしいグレードアップではなく、レコードをいっぱい持っていたからとかいうことでもありません。

で、新品で買ったプレーヤーを苦労して長岡まで持ち帰り、ものすごく期待して聞いたものです。その感想は　というと、

デザイン以外は、ほとんど不満しか覚えていない。やっぱりこれからはCDなんだと、結局納得してDCD1800Rに乗り換えたわけですから、それなりのハードな理由、動かしがたい理由があったのは確かで、ネガティブな感想しか覚えていないです。主として３番目かな。４番目はほど遠いと感じていました。
同時に、もっと高い、ハイエンドのものならこういう不満はないのではないか？　音楽性豊かといわれる、きれいな音が聞けるのではないか？　こういった思いがつまっている、もやもやと残っているのが、
小生にとってのPL-50LⅡです。

それで、それらがどうなのか、PL-70と比べてみたら本当のところがわかるだろうから、とにかくそれを知りたい　というのがPL-70LⅡ購入に突っ走った、動機　そのものであります。まさしくTS-900への「思い」と同じ。

ということで、アナログならPL-70LⅡ　；無条件に、PL-70LⅡなのです。実に良い響きです。

少しひもといてみると、
・70は、P3のスケールダウンで、時代とともに改悪されていった　とか、
・オイルダンプを強くするとソフトな感じの音に、ダンピングを弱くするとシャープな感じの音になる　
とか。最近は、ホームページを繰ると大体のことは書いてあって便利。
またある方のオークション出品説明をみると、

◆◆スペック◆◆
・極太軸受け14mmのＳＨダイレクトドライブ、
・水晶FG両方向サーボ、
・アーム感度に影響を与えないオートアームリフター、
・寸法550×214×440ｍｍ、重量21.5kg、
・慣性モーメント480kg-cm2、
・SN比85dB以上、
・起動トルク2kg-cm、ワウフラッター0.008％以下、等々
スペックは現在でも素晴らしいです。　

◆◆同社ライバル◆◆
PL-70：本機の前身。大変素晴らしい逸品と言われています。
しかし、モーターカバー等が薄く振動対策がいまいちで、軸受も10mmと細く、アームケーブルがOFC無酸素銅でなくただの銅、また、アームパイプの鳴きがあるとか。
PL-50＆PL-50L＆PL-50LⅡ：　CPが高いのは事実で、長岡先生も推薦。50のオーナーこそ本機70の良さが一聴出来ると言われていたそうです。まさに小生そのものだけど、小生にとっては逆説的な意味あいで、上述のごとく、PL50のコストパフォーマンスがよいとは思えなかったがためにPL70に期待。
PL-30＆PL-30L＆PL-30LⅡ：　キャビネットが積層ではなくただの箱なので外見は良いけど問題外。
Exclusive P3＆P3a：　国産最高峰と言われますが、フローティング構造はいかんともし難く、音楽ジャンルを選び、長期安定性に欠ける。
Exclusive P10：　本機を完全に上回る名機

◆◆他社ライバル◆◆
ビクターQL-A95：当時最大のライバルと言われましたが、エアー関係の為、軸受はむしろQL-A75の方が耐久性もSN比も良かったとか。
ヤマハGT-2000：絶妙なバランスの本機に対し、いかにもアンバランスでGT-2000Xでもその溝は埋まらない。　
むしろ下級機ケンウッドKP-1100（KP-9010）の方が良いくらい。　　
その他DENON DP-80系、テクニクスSP-10MkⅡ＆SP-10Mk3、等々、しかし、完成度と美しさではやはり本機が最高だった。　

私が入手したものは、冒頭の写真
金色に輝いているのは、一時はやった銅のシート（メーカー忘れた：　ホームページを繰ってみると、マイクロに「銅製ターンテーブルシート」　CU-180というのがあり、写真では同じような感じ。これっぽい）に、ATのスタビライザーをつけたPL-70LⅡ。ちょっとでも何とか、と、当時PL-50LⅡでの改善を試みた、努力の結晶；　将来また可能性があるからこれだけはとっておこう　と残していたものです。

個体状態としては、
・トーンアーム：感度はマッチ棒1cmどころか5mmでもお辞儀をし、ガタツキなし。マッチ棒どころか、薄いティッシュを切手1/4サイズに切っておいただけでもＯＫ。
・勿論インサイドフォースキャンセラやアームウエイト取付のコレットチャックも完璧
・ターンテーブル：スピンドルシャフト軸受けのガタツキ無く、クリアランスも理想的で、スムーズに立ち上がり・静かに正確に回転し負荷を架けても強いトルクで・スムーズに停止（ちなみにExclusive P3はトルク10kgを謳っていますが、減磁して2kg以下の物も出回っているらしいので要注意！）
・キャビネット：新品ではないので無傷ではありませんが醜いキズは無く、美しい木目と相まって十分美品
・インシュレーター（4脚のベース）も十分機能し、ダストカバーは特に綺麗で、前2個ダンパーやヒンジブラケットの機能も完璧。
・ヘッドシェル接点・パイプアーム接点・RCAコネクターの電気的接続も確実で、金メッキはピカピカ。

そこで、写真

カートリッジは、購入時におまけでつけていただいたAT33E。懐かしい金色の輝きです。きれいなのですが、針先をルーペで見るとキラット輝く「面」があるように感じます。オマケはおまけか。
AT150Eの針無しを持っているので、針だけ新品で購入。昔のようにシェルにつけてAT33と使い分けてやろうと思ったが、S字アームがついていなかった。。。　S字用の大きなウエイトもない。なので、とりあえずストレートアーム　　とし、これに AT33Eをつけてやってみます。

トランスは、手持ちのタムラの小さいのを使います。これはDCX2496の改造を試みたときからの名残でいっぱい手持ちがあるので、いろいろ触れそう。UTCのとか、大きいのの方が良いとか、いろいろ意見はあるでしょうが、そんなことは気にしちゃぁいけない。
まずは、TpAs-6s を使用。プリント基板に取り付け、ハム防止のため、転がっていたアルミシャーシに入れてみた。出力はセミバランス配線。

さて、アームのガタはなし、やっぱり70LⅡだと納得。昔の悔しい思いをひとつ払拭したことで、どうやら「所有する喜び」に通ずる第一歩目はクリヤしたと言えます。とはいえ、アームのケツは少々垂れており、残念。。。